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浜田省吾を聴いてみたい方に
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からっ風のララバイ
浜田省吾1978年発表のアルバム「イルミネーション」収録曲です。
ポップス・シンガーとしての浜田省吾の魅力が発揮された名曲だと思われますが、評価としてはいまひとつといった印象があります。
テーマは「孤独な男の子」。
日常生活に満足できない男の子が、ディスコに通いながら空しい気持ちを抱えて込んでいる、そんな歌です。

髪に櫛をいれて お気に入りのスニーカー
流行のステップおぼえて 車に滑り込む
誰も愛さず 愛を求め 夜をさまよい
グラスかかえて ひとり退屈してる
今日もまた風が吹いてる きらめるネオンの街に
今日もまた風が吹いてる 乾いた夜の舗道に


「からっ風」は主人公の孤独や虚しさを投影した存在なのでしょう。
バッチリ決めてディスコに出かけて女の子との出会いを探し求めますが、そこで彼は決して何かに満たされているわけではありません。

ミラーボールの中 踊るよ 酔いしれて
でも明け方の街角で またいつものため息
君は君のスポットライト 探しもせずに
頬づえついて 夜毎ヒーローを夢見る


2番でも、主人公は同じように憂鬱な気持ちを抱えて、ディスコ帰りに孤独と向き合っています。
BOROが「♪踊り疲れたディスコの帰り、これで青春も終わりかなとつぶやいて〜」と歌っているように、ディスコ帰りというのは「祭りのあと」に通じる寂しさの中で、妙に内省的になってしまう瞬間なのかもしれません。

おそらく、この冴えない主人公は、当時の浜田省吾その人でしょう。
レコードを出しても結果が出ないミュージシャン生活の中で、彼は毎日のように孤独や虚無感と向き合っていたはずです。
「君のスポットライト探しもせずに」は、音楽界の中にあって自己の居場所=存在意義を見出すことのできない苛立ちを感じさせます。
「夜毎ヒーローを夢見る」にも同じような気持ちを読み取ることができます。
音楽で食べていくことができるかどうかわからないミュージシャンの気持ちが反映された歌というべきなのかもしれません。

もっとも、歌詞がヘヴィなのにサウンドがポップなのは、浜田省吾お得意の手法。
ノリの良いロックンロール・サウンドで、間奏のダンサブルなサックスも有効に聴かせています。
「さよならの前に」や「演奏旅行」に通じるものがあるような気がしますね。
ただ、そちらが光の部分を歌っているとしたら、こちらは影の部分を歌っているというか。

個人的にはこの頃のもどかしい男の子を歌った浜田省吾先生が大好きではあります☆
| 全曲レビュー(3-イルミネーション) | 22:32 | - | trackbacks(0) |
恋人達の舗道
浜田省吾1978年発表のアルバム「イルミネーション」収録曲です。
極めて、個人的な思い入れの強い悲しい曲です(笑)
まあ、歌にはいろいろな思い出がありますからね〜。

テーマは「失恋」。
恋なんてゲームだと思っていた男の子が新しい恋に落ちる幸せ。
けれども、彼女に新しい恋人ができて失恋してしまう。
恋なんてゲームだと、主人公は自分に言い聞かせるという、そういう歌です

夏の翳りを残した夕暮れの街 ひとり歩くよ
君と出逢ったあの店 今夜はドアを閉ざしてる
「踊らないか 僕もひとりさ」 振り向き はにかんだ君
ミラーボール ふたつの影 寄り添う いつしか
何故人は恋を求めてさまよう 寂しさポケットに隠して
恋などゲームさ 恋などゲームさ 君に会うまでのひとり言
僕が高校生の時のことです。
初めて本格的な恋をして、僕は随分と浮かれた時間を過ごしていました。
わずか半年くらいの時間です。
別れは突然でした。
彼女に好きな男の子ができた、ただ、それだけのことでした。
初めて、女の子のことで泣きましたね。
相手の男の子は安全地帯が好きなヤツで、もう安全地帯に八つ当たりしまくりでしたから。
ふざけんなよ、タマキ!って感じで。
あの頃、タマキみたいな髪型をした男の子、多かった時代です。
しばらくは浜田省吾の音楽に逃げて、もう浜省漬けの日々。
で、いつも聴いていたラジオ番組にリクエストのハガキを書いて(当時はメールじゃなかった)、おれ、フラれちゃったよ、とかなんとか(笑)
かわいそうに思ってくれたのか、ハガキが読まれて、リクエスト曲も放送されました。
その時の曲がこの「恋人達の舗道」です。
この曲がラジオで流れたことって、あまりないんじゃないでしょうか(笑)

「もう逢わないわ 理由はいえない」 言葉をつまらせた君
キャンドルライト 横顔に影 見知らぬ誰かの
何故人は恋を探してさまよう 目の前の愛に気づかずに
恋などゲームさ 恋などゲームさ 忘れかけていたひとり言
「恋などゲームさ」って思っていたわけではないのですが、あの体験の後、僕は恋愛に対してかなりクールな考え方をできるようになりました。
それが良かったかどうかは不明ですけれど。

サウンドは、1970年代らしいニューミュージック・スタイル。
まあ、当時の浜省はポップス・シンガーだったわけで、そういう意味ではこの曲は決して悪くない曲だと思います。
メロディもセンチメンタルだし。
冷静に考えると、歌詞もセンチメンタルなので、ちょっとクドイっちゃクドイのですが。
でも、こういう切ない系の曲を書いたら、浜田省吾大先生、ホントに絶品ですね。
| 全曲レビュー(3-イルミネーション) | 22:35 | - | trackbacks(0) |
ガラスの恋
浜田省吾1978年発表のアルバム「イルミネーション」収録曲。
浜田省吾先生大好きな世界、元祖不倫ソングですね(笑)
まったく悲劇的なラブソング歌わせたら日本一というくらいに、悲しいラブソングが好きなお方です。
歌詞のテーマは「許されぬ恋」ってところでしょうか。
若い女の子と世間的に認められない恋に落ちている男の子の気持ちを歌ったもので、めちゃくちゃ苦悩している様子が描かれています。
これだけ主人公が苦悩していると、歴史的には心中へと追い込まれていきそうな気がしますが、明るいポッスプ・ナンバーとして仕上げられているため、不倫の恋の暗さ、後ろめたさが全然ないというのがすごいところ。

僕には朝まで君を抱いてやれない
理解(わか)ってる 電話もできぬ君の寂しさ
いつまで いつまで 君は僕を許せるだろう

君は愛を真っ直ぐに見つめて寄り添う
「このままでいい」と
愛に傷つき泣くことも まだ知らない子供さ
この恋が不倫の恋だという断定は実はできないのですが、「朝まで君を抱いてやれない」「電話もできぬ君」といった表現から、主人公の男の子には家庭があり、女の子と自由な恋をすることができない状況にあることを推測させます。
あるいは「ロミオとジュリエット」かもしれませんが、全体的な歌詞から判断して、やっぱりこれは不倫の恋なんでしょうね。

当たり前に考えると、男の子はつまみ食い程度で女の子をセフレにしていたと思えるのですが、この歌の中では主人公が実に苦悩しています。
そんなに苦しいなら、若い女の子を取れば?という感じなのですが、彼にはいろいろな事情があって、家庭を壊すこともできない。
妻が会社の重役の娘だったとか、既に3人の子供がいて子供と別れるのがツラいとか、妻に養ってもらっている状況で経済的に自立できないとか、まあいろいろな妄想ができます。

でも、一番大切なフレーズは次の部分ではないでしょうか。

ガラスのような恋さ もう忘れよう
あの娘をこなごなに砕かぬうちに
いつまで いつまで僕は迷い 迷っているのだろう
30代になって家庭を持ったまま若い女の子と付き合うっていうのは、やっぱりフェアじゃないなって思います。
家族じゃなくて、不倫相手の女の子に対してフェアじゃないっていう意味で。
その恋愛が壊れても帰る場所を残したままの男っていうのは信用できない。
これはもう経験的に許せないっていうか、本能的なものになっちゃってますね(笑)
だから、浜田省吾大先生の曲だとしても、不倫の恋の歌っていうのはどうしても根っこの部分で許せないものを感じてしまいます。
払うべきリスク払わせろっていう。
まあ、これは個人の嗜好の問題ですから(笑)
でも、風潮の中で不倫の小説ばかり書いてベストセラー出しているような小説家なんていうのは、もう許せない存在ですね〜。

どうも個人的な感情が多くなってしまうので、こういう歌のレビュー、あまり向いていないんですよね(笑)

| 全曲レビュー(3-イルミネーション) | 18:38 | - | trackbacks(1) |
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