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誰がために鐘は鳴る


浜田省吾1990年発表のアルバム「誰がために鐘は鳴る」です。
この後、「その永遠の一秒に(1993年)」「青空の扉(1996年)」と続く3部作の最初の作品となりました。
浜田省吾のアルバムを体系的に理解するには、3部作という考え方が便利なのですが、「DOWN BY THE MAINSTREET(1984年)」「J.Boy(1986年)」「FATHER'S SON(1990年)」と続いた3部作で、一人の男性の成長を追いかけながら、日本という国のアイデンティティに踏み込んだ彼は、次のテーマとして「人間とはなんぞや?」という哲学的な分野のテーマを選ぶことになります。

「誰がために鐘は鳴る」というタイトルは16世紀イギリスの詩人ジョン・ダンの詩の一節に由来します。
「誰がために鐘は鳴るやと、そは汝がために鳴るなれば」という名文句は、20世紀のアメリカでヘミングウェイの同名小説の題名としても引用されました。
鐘は誰かのために鳴っているんじゃない、お前のために鳴っているんだというこの言葉は、浜田省吾のスタイルが個としての自分自身に戻ってきていることを暗示しています。

01 MY OLD 50'S GUITAR
02 BASEBALL KID'S ROCK
03 少年の心
04 青の時間
05 サイドシートの影
06 恋は賭け事
07 夜は優し
08 SAME OLD ROCK'N' ROLL
09 太陽の下へ
10 詩人の鐘
11 夏の終り

さて、テーマもさることながら、ひとつひとつの曲の完成度の高さにも、当時の浜田省吾のプライドがうかがえるかのようなラインアップです。

このアルバムから、シングルとして発表された曲はありませんでした。
ただし、1999年になって「詩人の鐘」のリメイクバージョンがシングルとして発売されています。

それまでの浜田省吾のイメージでもあった疾走するかのごとく弾けるような曲はありません。
全体にゆったりと確かな落ち着きを持った楽曲が並んでいます。
「MY OLD 50'S GUITAR」はマイナーコードのブルース・ソングで、これまでの浜省作品とはニュアンスの異なった作品に仕上がっています。
あれ、なんか大人っぽくなっちゃったなーという印象。
でも、前作までの作品に比べて、サウンド的には原点に帰ったというか、オーソドックスなロック・サウンドになっていたのは嬉しかったですね。

浜省らしいロックンロールとしては「詩人の鐘」。
浜省らしいポップ・ミュージックとしては「BASEBALL KID'S ROCK」「恋は賭け事」「SAME OLD ROCK'N' ROLL」。
浜省らしいバラードソングとしては「少年の心」「青の時間」「サイドシートの影」。
浜省らしいウエスト・コースト・サウンドとして「太陽の下へ」と「夏の終り」。

アルバムの中では「夏の終り」の秀逸さが目立ちます。
1曲目の「MY OLD 50'S GUITAR」で生きることのツラさを感じながら前へ進もうとしている主人公を歌い、アルバム最後の「夏の終り」ではすべてを投げ捨ててもう終わろうと感じている主人公を歌う。
けれども、きっと主人公は再びギターを手にして、もう一度やってみようと考えることでしょう。
このアルバムはそのようにして一人の男が生きていく中で彷徨うメビウスの輪をイメージさせます。
浜田省吾本人が言っているように、アルバム全体に漂っているのは「救済」。
鐘は誰かのために鳴っているんじゃない、お前のために鳴っているんだという言葉を、浜省はまさしく自分自身のことのように感じていたのかもしれません。
秋の夜にじっくり聴きたい大人のアルバムです。
オススメ♪

| 全アルバムレビュー(オリジナル) | 19:48 | - | trackbacks(0) |
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