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浜田省吾を聴いてみたい方に
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夏の終り
浜田省吾1990年発表のアルバム「誰がために鐘は鳴る」収録曲です。
浜省作品の中でも特に人気のある曲でした。
テーマは「歌をやめること」。
主人公のミュージシャンが、もう歌なんかやめてどこか海辺の街で静かに暮らそうと考えている、そんな歌です。
実質的な「引退宣言」とも取れる作品で、当時いろいろと話題を呼んだ作品でもありました。

サンディエゴフリーウェイを南へ走ってる
国境線超えたら砂埃舞うメキシコ
夏の終りの乾いた風が窓から
おれの口笛吹き飛ばす
フロントガラスにテキーラサンライズ
もう誰の心も引き裂くことなんてない
この車もギターも売り払い 海辺の街
潮風と波の音を枕にひとり暮そう
ウエスト・コーストなサウンドに乗って流れる歌詞は、南アメリカの風景をイメージさせる爽やかなもの。
けれども、この歌はそうした爽やかな季節や風景を背景にした、主人公の心の葛藤にあります。
車もギターも売り払って、海辺の街で暮らそうと、主人公は音楽の世界からの引退を決意しています。
もちろん、この決意は主人公にとって葛藤のひとつの部分なのでしょう。

前作「FATHER'S SON」の中で、浜田省吾は「今夜 ON THE ROAD 虚しく拳を突き上げ 見つけたのは答えのない心の奥の暗闇」と歌っていますが、心の暗闇のひとつの最終地点が、この曲だったのではないかと思います。
歌うことに虚しさを感じたミュージシャンはギターを売り払って引退するしかないんだぜ、という。
ただ、その一方で彼は「でも 魅せられたようにスリーコードが まるでマイナーブルース 続くよ 永久に」と、自分の中で終わることのない音楽への欲求が渦巻いていることも同時に歌っています。 
ステージの上で感じる虚しさ、もう引退してしまおう、けれども自分の中で鳴り続いている音楽。
それはまるでスパイラル(螺旋)のように、彼の胸の中を巡り続けた思いなのかもしれません。
この歌は、そんな彼の心の中の葛藤を一瞬だけ切り取った歌なのではないかと思うのです。

ギター抱き締めて眠ったあの頃
貧しさと憧れの中 夢に見た R&R STAR
キャンパスを中退して長い旅に出た
果てしなく続く"ON THE ROAD"
流星のような幾千もの夜
愛してくれた人 打ちのめす程傷つけた
汚れた悲しいメロディ 身を切るように繰り返す
拍手とスポットライトと報われぬ涙の陰で
2番の歌詞はめちゃくちゃ浜省らしい叙情的なフレーズで構成されています。
このセンチメンタルな表現が浜省ファンにはたまらないところなのです。
個人的な話ですが、このアルバムが発表された頃というと、僕も無意識のうちに女の子を傷つけてしまったりして、いろいろと悩んでいた時期であり、この歌は特に心に響いたという記憶があります。
「愛してくれた人 打ちのめすほど傷つけた」というフレーズは、自分にとってかなりキツい表現でした。

ところで、この「愛してくれた人 打ちのめすほど傷つけた 汚れた悲しいメロディ」とはいったいどんなメロディだったのでしょうか。
これは僕にとって長年の謎です。
実は、それまで私小説的な色彩がかなり強かった浜田省吾の歌詞が少しずつ変化してきたのがこの頃のことで、この部分のフレーズに何かしら意味があるのかどうか興味のあるところです。
「愛してくれた人」とは誰なのか?
「汚れた悲しいメロディ」とはどんなメロディなのか?
単純に考えると、「愛してくれた人」はおそらく身内の人、妻か両親か。
あるいは、仕事上で付き合いのあった人かもしれないし、不倫の恋の相手かもしれません。
そして、「汚れた悲しいメロディ」、これはきっと浜田省吾自身の作品を意味しているのでしょう。
おそらくは、「FATHER'S SON」か「J.Boy」あたりに収録された曲が、何かの事情で「浜田省吾を愛してくれた人」を「打ちのめすほど傷つけてしまった」、そういうストーリーなのだと推測されます。

これは僕の勝手な妄想というのではなくて、仮にこれがフィクションであったとしても、この歌はそういう状況設定として作られているということです。
あるいは、作者はオーディエンスのそのような反応まで予想しながら、この作品を作り上げたのかもしれません。
ただ、FATHER'S SON」までの彼の作品の作り方を考慮すると、この歌にもなにがしかの実体験が反映されていると考える方が自然のような気もするのです。

当時、この曲はそれまでの浜田省吾作品の中でベストワークと言える作品だと確信しました。
テーマ、歌詞、メロディ、アレンジ、演奏、そのいずれもが浜田省吾の中でベストといえる作品だと思ったからです。
今でも、このポップ・ミュージックは僕にとってフェバリットな1曲になっています。

関係ない話ですが、この曲を聴くと、長渕剛の「JEEP」を思い出します。
| 全曲レビュー(17-誰がために鐘は鳴る) | 20:13 | - | trackbacks(1) |
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