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浜田省吾を聴いてみたい方に
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独立記念日
浜田省吾1981年発表のアルバム「愛の世代の前に」収録曲です。
10代の少年少女の代弁者だった時代の浜田省吾を感じることができます。
テーマは「歪んだ教育」。
現代社会の歪みで生きる少年を主人公に据えて、学校教育の在り方に疑問を呈するストーリーになっています。

教室じゃ俺いつも窓の外を見てるだけ
いかれたクラスの奴等の話など上の空
単車 ディスコ 喧嘩 煙草 街頭の女達
退屈で死にそうな授業
Highschool Jail Highschool Jail
今すぐ走り出したいのに
止まれと言われ 歩けと言われ
転んだだけで見捨てられて
主人公の少年はクラスメートたちと相容れることのできない価値観を抱いていて、繰り返される学校生活に満足できないものを感じています。
不良少年達が徒党を組んで無頼な行動を巻き起こすのに対して、この少年は徒党を組むことを否定し、クラスの中で完全に浮いた存在となっている自分自身を見つめています。
少年にとって、学校はまさしく「監獄」であり、逃れることのできないその空間に夢見ることさえありません。

奴等 単車連ねて走る からっぽの頭で
独りじゃ何も出来ず 何処へ行くのかもわからずに
Highschool Jail Highschool Jail
教科書から削る文字は 他にもあるぜ
例えば正義 例えば希望… 数え切れない
Highschool Jail Highschool Jail
サーチライトに照らし出され震えている
俺が見えるかい? 鈍く光るナイフ手にした
当時は教科書問題に日本が揺れだ時期で、浜田省吾は敢えてこの時期に「教科書から削る文字」を題材としています。
「正義」や「希望」を教科書から削る文字だと主張している少年にとって、日本社会は既に正義や希望を期待できる社会ではないことを感じています。
独りじゃ何もできないくせに、からっぽの頭でバイクを乗り回すクラスの連中を軽蔑しながら、主人公の少年は教科書の中に登場する「仮装社会」に大きな失意を抱いているのです。

この曲は、高校生だった頃の僕にとって、大きな勇気を与えてくれた作品でした。
学校の退屈な授業や、共通の話題に乏しいクラスメートや、そして何より価値観の違う周囲の連中なんかとうまくやっていくことができず、僕はいつでも独りで生きていたような気がします。
休み時間には古い小説を読み、放課後にはゲームセンターで時間を潰し、家に帰れば朝までレコードを聴くような毎日でしたが、それでもクラスの連中のくだらない話に付き合わされるよりはずっと有意義な時間だったと思っています。

斉藤和義が「僕の見たビートルズはTVの中」で、「♪分けの分からない流行りに流されて、浮き足だった奴等がこの街の主流」と歌っていますが、僕にとってクラスの連中はまさしく「浮き足だった奴等」であり、そんな彼らが「主流」であった学校生活は、ほぼ参加するに値しない集団生活でした。
村上春樹の「ノルウェイの森」に出てくる主人公の生き方に、ちょっと似ていたかもしれません。
けれども、それは本当は僕の望んだ生き方ではなかったし、僕だって本当はクラスの仲間と一緒に楽しく笑ったり、くだらない冗談や噂話なんかで盛り上がったりしたかったんです。
けれども、僕にはどうしても彼らの話に同調することはできなかったし、くだらないジョークや噂話に付き合ったり笑ったりすることはできませんでした。
協調性のない人間、それが僕の評価です。

そんな僕にとって、この「独立記念日」は精神的にも肉体的にもかなりフィットするタイプの音楽でした。
ダイナミックなロックンロール・サウンドに乗せてシャウトする浜田省吾、僕は高校を「ハイスクール・ジェイル」だなんて単純には思えなかったけれど、それでもこの曲に溢れている少年の純粋なメッセージには心を踊らされました。
いつも独りでいることの卑屈さを、僕はこの曲にとってカバーしていたんですね、おそらく。

主人公の少年が「鈍く光るナイフ」を手にして、サーチライトに照らし出されている情景は、日本という国に対する明らかな警鐘です。
こういう事件を起こしちゃいけないんだ、そのためにも教育環境を考えていかなければならないんだという。
そして、現実的に少年による重大犯罪は増加を見せ、歪んだ少年達を主人公とした歪んだ日本の社会が誕生しています。

結局、1981年から、世の中はなにも解決してはいないんですよね。
| 全曲レビュー(7-愛の世代の前に) | 19:35 | - | trackbacks(0) |
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