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CLUB SNOWBOUND


11月に入って、早くも街はクリスマス気分に包まれています。
今年の冬には浜田省吾のクリスマス・ソングを聴きたい!という方のために、当ブログでも「浜田省吾クリスマス・ソング特集」をやってみたいと思います。
しばらくの間、浜田省吾のクリスマス・ソングや、浜田省吾が聴いていたと思われる懐かしのクリスマス・ソングなどをピックアップ・レビューする予定。

ということで、まずはこのミニアルバムから入らないと、すべては始まりませんよね。
「CLUB SNOWBOUND」は1985年に発表されたミニアルバムで、クリスマスをテーマとした企画盤になっています。
当時は、バラード・セレクション「SAND CASTLE」(1983年)、「DOWN BY THE
MAINSTREET」(1984年)、クリスマス・アルバム「CLUB SNOWBOUND」(1985年)、「J.BOY」(1986年)、「CLUB SURFBOUND」(1987年)、「FATHER'S SON」(1988年)というように、オリジナル・アルバムと企画アルバムが交互に発表されていた時期でした。
浜田省吾本人も、「このペースが一番良いみたいだ」的な発言をしていましたから、ある程度方向付けされていたものと思われます。
なお、「CLUB SNOWBOUND」はCD化に当たって「CLUB SURFBOUND」と一緒のアルバムとなり、「CLUB SURF&SNOWBOUND」として現在も発売されています。

「CLUB SNOWBOUND」の発売に当たっては、浜田省吾にとって相当の思い入れがあったようで、ミニアルバムとは言っても十分に楽しむことのできる内容に仕上がっています。
「自分が子どもの頃に聴いていたクリスマス・アルバムみたいなものを作りたかった」と浜省は語っていますが、実際1950年代〜1960年代にかけて、クリスマス時期に発売されるコンピレーション・アルバムは実に重要な存在でした。
日本で言うと、石原裕次郎「裕ちゃんのホワイト・クリスマス」、洋楽で言うと、エルビス・プレスリーやビーチボーイズのクリスマス・アルバムなどが思い浮かびますが、アーチストがアルバム1枚をクリスマス・ソング一色で仕上げてしまうというスタイルは、この時期に定着したものと思われます。
そうした少年時代のイメージを明確にしたうえで、浜田省吾はこのクリスマス・アルバムを作り上げたと思われます。

サウンドは全体にオールディーズ風ポップ・ナンバーで、懐かしい気持ちの中でクリスマスを楽しむことのできる構成。

以下、「CLUB SURF&SNOWBOUND」から、「CLUB SNOWBOUND」部分のみ抜粋です。

01(08)  CHAMPAGNE NIGHT
02(09)  SNOWBOUND PARTY -Tonight Vistors OK!-
03(10)  MIDNIGHT FLIGHT -ひとりぼっちのクリスマス・イブ-
04(11)  SNOW ON THE ROOF -Just Like You And me-
05(12)  SENTIMENTAL CHRISTMAS

1曲目、1950年代の黒人コーラス・グループのサウンドを彷彿させるアカペラのコーラス・ソング。
2曲目、1960年代のオールディーズ・ナンバーで軽快にクリスマスを盛り上げます。
3曲目、現在でも人気の高いクリスマス・バラード。
4曲目、ギターの町支寛二がメインボーカルを取るポップ・ナンバー。
5曲目、懐かしい曲のリメイク・バージョン。

目立つのは、まず「MIDNIGHT FLIGHT」の存在。
クリスマス・ソングであることを無視しても、ラブ・バラードとしての完成度の高い作品です。
当時、日本のミュージック・シーンの中でクリスマス・ソングの名曲というと、筆頭はやはり山下達郎「クリスマス・イブ」でした。
当然、浜田省吾の頭の中にも「クリスマス・イブ」の存在があったと思われますが、美しいメロディラインとセンチメンタルなフレーズで、「クリスマス・イブ」に迫ったように思われます。
(キャッチーなメロディということで、「クリスマス・イブ」にはかなわない部分はあるとしても)
 
それから、「SNOW ON THE ROOF」で町支さんがメインボーカルを取っていることも特徴で、当時の浜田省吾作品にとって、これは画期的なことでした。
当時は、浜省本人が「バンドとしての音楽」を特に強く標榜していた時期でもあり、THE FUSEが単なるバックバンドではないことを意識づけようとしていた節も見られます。

そして、もうひとつは「SENTIMENTAL CHRISTMAS」のリメイク。
このアルバムが発表されるまで、浜田省吾のクリスマス・ソングは、「愛の世代の前に」に収録されたこの1曲だけでした。
その曲を録り直して、アルバムの最後に収録したところに、この作品に対する作者の気持ちが滲んでいるような気がします。

それぞれの曲のレビューについては、明日以降ひとつずつ掲載していく予定ですが、音楽とは別に、このアルバムは歌詞カード・ブックレットがまた素晴らしい内容だったことも忘れられません。
クリスマスに対する浜省の思いが込められたエッセイが載り、当時浜田省吾が最も好きだったという現代詩人・吉野弘の「雪の日に」全文が掲載され、バンドメンバーがスタジオで収録している様子が写真で紹介されています。
今から考えても、浜田省吾が最も楽しんでアルバム作りをした作品のひとつではないのかなと感じてしまいますね。
「CD版」では、その感動が伝わってこないのがとても残念なのですが。

それはともかくとして、今年のクリスマス、ピュアなサウンドに包まれたこのアルバムで過ごしてみませんか?



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| 全アルバムレビュー(企画モノ) | 19:38 | - | trackbacks(0) |
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