浜田省吾1980年発表のシングル「明日なき世代」のカップリング曲です。
ライブで人気のあった曲の割には、アルバム未収録。
2001年になって、シングル「君の名を呼ぶ」のカップリング曲としてリメイクされています。
テーマは、さすがに浜田省吾らしい「ライブツアー」。
「演奏旅行」だから英語では「ライブツアー」だと思うのですが、英語タイトルは「ROAD SONG」となっています。
これもまた、浜田省吾らしいですね。
眠れぬ夜が続くよ
ホテルの固いベッドの上で
これで7杯目 水割りバーボン
窓の外はどしゃ降り
俺はただのロックンロールシンガー
君のグッドバイブレーション それだけが頼り
このショーももうすぐフィナーレ
今日も流れてく
町から町へと旅をして回るミュージシャンの気持ちがとても良く表現されています。
とにかく、ライブ中心の音楽活動をしてきた浜省らしい曲と言っていいと思います。
社会派メッセージ系のイメージが強い浜省ですが、等身大の浜田省吾を聴くことができるという意味では、こういう歌の方がよりリアリティを強く感じることができるような気がします。
1980年のオリジナル・バージョンでは、「僕はただのロックンロール・シンガー」となっていました。
20年かかって、「僕」が「俺」に昇格したみたいです(笑)
さらに、レコード収録以前には、「君の手拍子 それだけが頼り」となっていたそうです(←残念ながら記憶にないのですが)。
まだお客さんがライブ中に立ち上がることもなく、手拍子が重要なアイテムになっていた時代の表現だったとか。
煙草と週刊誌の演奏旅行は
俺に似合いの旅さ
だけど 時には寂しくなるんだ
見知らぬ街角で
俺はただのロックンロールシンガー
君のグッドバイブレーション それだけが頼り
このショーももうすぐフィナーレ
今日も流れてく
「時には寂しくなるんだ」と、旅行の感傷を感じているあたりが浜省らしさですね。
あと、「今日も流れてく」という表現には、実際に旅をしている人間のリアリティを感じます。
岡林信康の古いフォークソングを思い出しますね(←そんなヤツはいないか)。
今でこそ違和感なく聞き慣れた「演奏旅行」という言葉ですが、1980年当時は「演奏旅行」というタイトルがロックンロールには似合わな
いな〜という違和感がずっとありました。
あえて日本語のタイトルにこだわったということなのかもしれませんが。
この時期のシングルレコードのカップリング曲には、浜省らしくて素晴らしい曲が目白押しです。
その中でも、この「演奏旅行」「火薬のように」「さよならの前に」といったラインナップは、個人的に外せない曲ですね。
リメイクしてくれてうれしかった曲です☆