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浜田省吾を聴いてみたい方に
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風を感じて


浜田省吾1979年発表のアルバム「君が人生の時」収録曲です。
というよりも、浜田省吾初めてのシングルヒット曲として記憶されている方の方が多いでしょうね。
日清カップヌードルのテレビコマーシャルソングとして起用され、代表曲のなかった浜田省吾の初めての代表曲となりました。

テーマは「自由」。
なんでも、CMのコンセプトとしては「イージー(EASY)」だったそうで、この「イージー」という言葉を入れるために随分苦労したというエピソードが伝わっています。

It's so easy 走り出せよ
Easy to be happy
風の青さを抱きしめて 荒野へとまっすぐに
It's so easy うつろな夢
Easy to be happy
ふり切って 時の流れ飛び越えてゆけ

自由に生きてく方法なんて100通りだってあるさ
It's so easy,easy to be free
浜田省吾にCMソングの話が来たのは、これが最初ではありませんでした。
1970年代後半はCMソングが大流行した時代で、CMとのタイアップは簡単にヒットチャートの上位を獲得できる魔法のようなプロモーションでした。
浜田省吾も、過去に「ダンシングレディ」がコーセー化粧品のCMとして決まりかけていながらボツになったという過去があったそうです。

作詞は浜田省吾ではなく、当時人気の女性作詞家・三浦徳子との共作。
当時の浜田省吾に対する評価は「メロディは良いけれど、歌詞がダメなソングライター」でした。
結局、「ラブ・トレイン」以降、浜田省吾は職業作詞家による作品をいくつか歌うことになるわけですが、この「風を感じて」もそうした理論によって作られた曲だったわけです。
サビを浜田省吾が書いて、その他の部分を三浦徳子が書くというスタイルで作詞作業は進められ、結果的にほとんどの部分を浜省本人が手直しして完成させたといわれています。

この曲の発表の際、日清が提供するテレビ番組への出演も同時に約束されていた関係で、この時期浜田省吾はいくつかのテレビ番組に出演しています。
今でも語り継がれている「夜のヒットスタジオ」(1979/8/13,10/22)や「ヤング・オーオー」(1979/7/15,10/2,11/25)への出演がそれです。
結局、この時期のテレビ出演が、浜田省吾をテレビに出ないミュージシャンとして確定させてしまったことは、実に皮肉な話なのですが、歌謡曲の歌手や芸能人と混じって出演することや、収録のために用意された様々な準備などに、彼としては自分と相容れないものを感じたようです。
シングルがヒットして、ようやく知名度が広がったものの、以後浜田省吾はテレビに絶対出演しないミュージシャンとして知られるようになります。

この歌の歌詞について、浜田省吾は「自由に生きる方法が100通りもあるなんて思わない」といったコメントをしています。
つまり、CMのために作った歌では本当の自分のメッセージを伝え切れていないということなのだと思いますが、初めての代表曲を出しながらも、それが自分のオリジナルではなかったということに浜田省吾の苦悩はあったのかもしれません。
ハウンドドッグの初ヒット「浮気なパレットキャット」も彼ら自身の曲ではなかったなど、当時は売るためのスタンスがはっきりしていたということなのかもしれませんね。



ちなみに、「It's so easy」は'50年代のロックンローラー、バディ・ホリーの名曲のタイトルで、1978年にはウエスト・コーストの リンダ・ロンシュタットがカバーしています。
「風を感じて」はサウンド的にはリンダ・ロンシュタット・バージョンの影響を大きく受けているようです。

心の中から溢れ出るものを歌のではなくて、決められたテーマに従って曲を作っていくというスタイルは、浜田省吾的には納得のいくものではなかったのかもしれませんね。
とはいえ、CMソングともなり、多くのファンを獲得したこの曲を、今でもカップヌードルとともに思い出す人たちは少なくないはず。
「自由に生きてく方法なんて100通りだってあるさ」というフレーズに励まされて頑張った人たちもたくさんいると思います。
そういう人たちの気持ちって、とても大切ですよね。
そういう意味で無駄にはしてほしくない、思い出の曲です。
| 全曲レビュー(5-君が人生の時) | 23:59 | - | trackbacks(10) |
4年目の秋
浜田省吾1979年発表のアルバム「君が人生の時…」収録曲です。
アコースティック・ギター・サウンドで聴かせる静かなフォーク・ソングは、やはりこの時代の浜田省吾の醍醐味でしょう。
歌詞のストーリーは、ひとり暮らしをしている女性の心の寂しさをリアルに歌ったもので、女性ファンに人気の曲でした。

「4年目の秋」とは、ひとり暮らしを始めて4年が経った秋という意味です。

19の時 君 うちを出てから
この都会(まち)一人 アパート暮らし
7時に目覚まし時計止めて コーヒーだけの朝食すませ
「今日は何を着て行こうかしら」
毎朝迷う 鏡の前
でも迷うほどハンガーケースの中
洋服並んでいるわけじゃない
電車の扉に押しつけられて 朝日の中を君は一人…
高校を卒業して東京に出て、あっという間の4年間。
19歳だった彼女も今では23歳。
特に大きな不満があるわけではないけれど、繰り返される毎日に満たされない何かを感じている。
この曲の素晴らしいところは、女性の気持ちになって歌われていることではなくて、彼女を遠くから見ている男の子の視点で彼女の生き方を歌ったところにあると思われます。
これで女の子の気持ちになって歌ったら、思い切りニューミュージックですから(笑)

浜田省吾いわく、「女の子が朝、出かけていく姿をベッドの中から見ていて、それを素直に書いた」そうです。

土曜の夜 テーブルごしに声かけられる見知らぬ男に
でも寂しさ 投げ出せるような 少女の頃はもう遠い日々
本当の愛見つけるその日まで 夜更けの街で君は一人…
ベタベタなラブソングが多い日本のフォーク・ミュージックに比べると、この歌はかなり完成されていると思うのですが。

企画盤「初夏の頃」でもリメイクで収録されていますが、オリジナルが良すぎるので、ほとんど聴いてません(笑)
ピュアな歌はピュアな音で聴きたいってところでしょうか。

秋って何となく振り返りたくなる季節なのでしょうか。
SIONの「風来坊」にもこんなフレーズがありましたっけ。

色あせた忘れ物を捜すつもりはないけど
この街に来て何度目かの秋に
お前を思いだしてもかまわないだろう
慌ただしい夏が過ぎ去って静かな季節に、人はふと思い出したように「あの頃」を振り返るのかもしれません。
| 全曲レビュー(5-君が人生の時) | 20:41 | - | trackbacks(0) |
いつかもうすぐ
浜田省吾1979年のアルバム「君が人生の時」に収録された「いつかもうすぐ」です。
昭和の時代の浜田省吾ナンバーの中では、とても人気のあった曲ですよね。
ギター覚えたての頃、よくこの曲を弾きながら歌ってました(笑)

あの娘は米軍キャンプの傍にある小さな店で働いていた
僕らは約束した この街 出ようねと
いつか いつかもうすぐ

あの頃 僕はまだ18で 望めばすべてが叶うと信じていた
あの娘のあれた手を見るたび呟いた
いつか いつかもうぐ
この曲は浜田省吾作品の中では珍しく、外国の曲に訳詞を付けたスタイルのものです。
浜省が外国のメロディやフレーズを引用しているものって、実は少なくないんですが、正式にカバーしているのはこの曲だけではないでしょうか。
日本のミュージシャンはどうしても洋楽との関係に悩まされる運命にあるので(早い話がパクリだといわれる)、聴く側としてもきちんと出典を晒してもらった方が安心できます。
別に、外国の曲のカバーでもなんでもいいわけなので。
この辺りの話は、違うときにゆっくり書いてみたいと思ってます。

原曲はイアン&シルビアの「SOMEDAY SOON」、そのまんまですね(笑)
イアンとシルビアはカナダのカントリー・フォークの夫婦ミュージシャンで、1960年代のモダン・フォーク・ムーブメントの中で注目を集めたフォーク・デュオです。
「SOMEDAY SOON」はアメリカの泥臭い部分が浜田省吾に良くマッチした曲で、浜省本人もこの歌が大好きだったそうですね。
浜省が聴いていたのはジュディ・コリンズ・バージョンとのことですが、とにかく自分で歌いたいがためにわざわざ詞を書いたと語っています。

浜田省吾の歌詞は、福岡県米海兵隊岩国基地の近くにある喫茶店を舞台として、18歳の浜省が恋をした女の子のことを歌っているとか。
かなりピュアな内容ですが、このときの経験はその後の浜田省吾に大きく関わっているようです。
浜田省吾とアメリカとの繋がりの原点は、実はこの女の子だったという(笑)
田家さんの「陽のあたる場所」の中では、もう少し異なるエピソードが書かれています。
それは、予備校時代に広島の友人宅に、ロサンゼルスから17歳の女の子がホームスティにやって来て、浜省がこの女の子に恋をしてしまうという話です。
彼女は「いつかアメリカに来て欲しい」と約束をして日本を去っていったそうです。

きっと、現在の浜田省吾は「今では書けない歌」とか言うんだろうな(笑)
ファンとしては、こういうピュアな曲をもっと聴きたいという率直な気持ちはありますよね。
こういう傷つきやすい少年の気持ちをこんなふうに歌えるのって、これはもうやっぱり浜田省吾しかいないと、僕は今でも思ってます。
50代になって少年の気持ちを歌ったっていいじゃないですか。
突然家族を捨てて花火眺めてる男の歌が歌えるなら、昔の自分のことだって歌えるような気がして。
もちろん、当時のままにウェットな視点では作れないんでしょうけれど。
いまだに「愛と青春のシンガー」なんですよね、僕の中では(笑)

この歌は、系譜としてこの後に「AMERICA」へと流れていきます。
「ON THE ROAD "FILMS"」の映像もその辺りを意識して作られているみたいですよね。

かなり個人的な感想ですが、この歌を聴くと、僕はなんだか尾崎豊を思い出します。
「米軍キャンプ」というかなり特異なシチュエーションを、尾崎はこの曲からつかんだのではないでしょうか。
そして、「ドーナツ・ショップ」に代表されるミディアム・テンポのアコースティックなサウンドの原型は、この曲にあるような気がします。
浜田省吾と尾崎豊との話について、今度ゆっくり書いてみたいですね〜。
| 全曲レビュー(5-君が人生の時) | 00:22 | - | trackbacks(0) |
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