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浜田省吾を聴いてみたい方に
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WHAT'S THE MATTER,BABY?
浜田省吾1988年発表のアルバム「FATHER'S SON」収録曲です。
1988年といえば、時代はバブル全盛期、日本中が金に振り回されて、企業戦士達がエコノミック・アニマルと呼ばれながら24時間働いていた時代です。
この曲も、そんなバブル期を反映したロックンロールで、テーマは「ビジネスマンの苦しみ」。
日本中が正常とは思えない狂気の乱舞を続ける中、その狂乱の歯車であり主役でもあったのが、多くの会社員たち、いわゆるビジネスマンでした。
昭和30年代の「サラリーマン」とは違う価値観を持って登場した「ビジネスマン」は、まさしく経済大国日本の原動力となって働いていたのです。

Monday morning 地下鉄 無表情な人波
デスクに山積み 書類とメッセージカード
コンピューター画面の図形と文字
目の奥に電流が走るような痛み
今朝また Work-a-hol-ic ノイローゼ 退職
社内の医務室 まるで野戦病院
くびれた足首のOLたちの腰つき
横切るのは ただ欲求不満(フラストレーション)
経済大国の歪みを描いたこの曲は、ビジネスマンたちの苦悩をいち早く取り入れたロックンロールということで、もっと評価されても良い曲だと思うのですが、テーマの割には歌詞が整理されていないのが残念なところ。
バブル期の日本をステレオタイプに描いてしまっていて、もったいないなーと思ったような記憶があります。
この後、尾崎豊が「KISS」で同じようにビジネスマンをテーマに歌ったときは、さすがにほぼ完璧な作品に仕上がっていて嬉しかったですね。
もちろん、尾崎の中では浜省のこの曲の存在があったと思いますが。

もう少し後の時代になりますが、僕が卒業する頃はバブル最終場面、つまり最後の全盛期だったのですが、大変な就職活動でした。
とにかく、どこの企業も一人でも多くの採用をしたいという思惑で、様々な学生集めをやっているわけです。
就職説明会に行って、交通費が支給されるのは当たり前、食品やドリンクのメーカーなんかだと、自社製品をお土産に持たせてくれたりしました。
学校のOBがリクルート担当なんかになっていたりすると、就職説明会でノルマの学生数を確保するために身銭切って学生を集めていましたからね〜。
解禁日には、いかに学生の身柄を確保するかが重要なので、前日から温泉で1泊とか、東京ドームでジャイアンツ戦観戦ツアーとか、どこの企業も必死だったようです。
僕ら学生は「内定」をいくつ取るかを競争しているような感じで、10個や20個の内定なんか当たり前、解禁日直前にどうやって断ろうかと悩んでいたくらいです。
今になって思うと、それは決して正常なことではなかったんですね。
その頃、人気があったのは、金融関係とマスコミ関係で、公務員なんてよほど地味な人間じゃないと行かなかったようなイメージ。
そういえば、「ヤンエグ」なんて言葉が流行っていて、年収がどれだけ多いかで世の中の勝ち負けが決まってしまうような風潮でした。
もう随分昔の話なのに、日本は今もまだバブルのツケを払い続けているんですね。

| 全曲レビュー(14-FATHER'S SON) | 23:09 | - | trackbacks(2) |
I DON'T LIKE "FRIDAY"
浜田省吾1988年のアルバム「FATHER'S SON」収録曲。
単純に訳すと「僕は金曜日がキライだ」になりますが、もちろんこれはダブルミーニング。
浜省らしい、なかなかシニカルなポップソングに仕上がっています。

声をかけたのは彼女の方だぜ
お前をベッドに誘ったのも
「愛してる…」とだけは決して言うんじゃないと
おれからの忠告 耳も貸さずに
She waits for you さよなら My freind
寂しくなるぜ Friday night
She waits for you
馬鹿だぜ Old Freind 恋するなんて
ストーリーは、一緒にビジネス界で戦ってきた仲間が結婚してしまい、金曜日の夜が寂しくなってしまうという、そんな感じです。
全体にビジネスマンの仕事に賭ける熱気のようなものが漂っていて、これはバブル絶頂期の日本の空気を如実に反映したものです。
当時は、日本のビジネスマンの空気って、本当にこういう感じだったんですよね。
職場は戦場で、会社員は戦士で。
それこそ、♪24時間戦えますか〜、リ〜ゲイン、リ〜ゲインの時任三郎みたいな。
今はすっかりI am a father.ですけど。

十字砲火の中くぐり抜けて おれ達 ここまで生き残った
女も Businessも蹴散らし いくつもの敵陣を突破して戦ってきた
She waits for you 情けないぜ 武器を捨て幸福かい
She waits for you 最前線に戦友を残し
「武器を捨て幸福かい?」はもちろん「武器を捨て降伏かい?」のダブルミーニング。
ただ、恋愛に悲観主義的な歌が多い浜省らしい主人公には仕上がっています。

サウンド的には、当時最新のメカニックなアレンジを加えたポップスナンバーで、バンドサウンドでやった方が良い曲になるような気がします。
メロディメーカー浜田省吾らしいキャッチーな音です。

さて、浜田省吾が写真週刊誌「FRIDAY」に奥さんとのショッピングシーンを盗撮されて、サングラスなしの素顔を掲載されたのは1988年のこと。
もちろん、浜省は激怒して、当時の「FATHER'S SON」ツアーでも、フライデーのことをガンガン叩いていました(笑)
同時期にビートたけし率いる「たけし軍団」が盗撮に抗議して編集部に乱入、社会的事件となる騒ぎがありましたが、このことについても浜田省吾は「オレはビートたけしを応援するよ」と言ってました。

「オレは金曜日がキライだ」というよりは「オレはフライデーがキライだ」という部分に彼の主張があったことは間違いありません。
なんだか浜田省吾らしい、ちょっとシニカルでちょっとシャイな怒りソングっていうところですね。

これが清志郎だったら、めちゃくちゃストレートな怒りソングになってますよ、絶対(笑)
♪週刊フライデー、腐った週刊誌〜、とか。

「FATHER'S SON」ツアーの時には、「これはオレが演出したんだぜ」とか言いながら、バーのセットみたいのが出てきて、いかにも金曜日の夜のバーという雰囲気の中でこの歌を歌ってたような気が。
| 全曲レビュー(14-FATHER'S SON) | 21:17 | - | trackbacks(0) |
DARKNESS IN THE HEART
浜田省吾1988年発表のアルバム「Father's Son」収録の「DARKNESS IN THE HEART」です。
「少年の夏」という副題があります。
アルバムの中で、唯一「Father's Son」という言葉が出てくることから考えて、このアルバムの中ではこの曲がタイトル曲としての役割を持っているものと思われます。
(正確には「THEME OF FATHER'S SON」がタイトル曲なのですが)
テーマはまさしく「父の子」でした。

思い出す 病室で痩せていく父の姿を
痛みから解かれて去っていった 独りきり
車の窓に映ってる おれの顔 彼に似てる
この時期、浜田省吾は既に日本を代表するロックスターの一人となっていました。
1986年に発表したアルバム「J.Boy」がヒットチャートの1位を獲得、社会がメッセージソングを求めている時代でもあり、社会派ロックンローラーとしての立場を鮮明にしていた浜田省吾の音楽は、まさしく時代の申し子となっていたのです。

「J.Boy」で反戦を中心としたメッセージソングを叩きつけた浜省は、このアルバムでそうした社会的なメッセージにひとつの区切りを付けるとともに、新たなテーマを生み出そうともしていました。
それは個人としての自分に対する問いかけでした。
人気歌手となった浜田省吾は、この頃から自分の音楽について多くを話すようになります(話す機会を得たというべきか)。

「路地裏の少年」がはじめて父の息子なんだということを意識して、少年でなくなったんだと思う。
大人になったんじゃないかと。
とにかく走り続けてきたロッカーが、冷静に自分の姿をとらえたのが、この作品ということなのかもしれません。
そして、その引き金は実の父の死というできごとでした。
この時期、浜省は父の死について多くの場所で語っているように、非常に大きな衝撃を受けたようです。
個人的な肉親の死という事象が、やがて彼の中では大きな想像を膨らませて、世代間の継承というレベルにまで発展して、この曲は完成したのかもしれません。

FATHER'S SON
どこへ向かってるの 何を手にしたいの
今夜 ON THE ROAD
虚しく拳を突き上げ 叫ぶ歌は答えのない心の暗闇
ここで、浜田省吾は「父の子」であった自分自身に向かって問いかけています。
どこへ向かっているのか、何を手にしたいのか、と。
原点に戻ろうと決めて走り続けてきた道。
「J.Boy」での成功、サクセスストーリー。
夢をつかみ取った勝利感の中で、彼は「父の死」という個人的な現実から多くの懐疑的な気持ちに気付きます。

もし、もう少し深くこの歌を掘り下げるとしたら、それは団塊の尻尾と呼ばれる浜田省吾世代の人々の父親世代について考える必要がありそうです。
そこには、どうしても太平洋戦争という避けては通れぬ歴史があり、そんな歴史を無視してはこの歌の持つ本当の意味が得られていないような気がするのです。

極めて個人的な音楽でありながら、とても社会的な音楽。
それが「DARKNESS IN THE HEART」なのではないでしょうか。

| 全曲レビュー(14-FATHER'S SON) | 22:14 | - | trackbacks(0) |
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