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浜田省吾を聴いてみたい方に
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その永遠の一秒に


浜田省吾1993年発表のアルバム「その永遠の一秒に」です。
「誰がために鐘は鳴る(1990年)」「その永遠の一秒に(1993年)」「青空の扉(1996年)」と続いた3部作の中間の作品ということになります。
「誰がために鐘は鳴る」で人間としての生き方に踏み込んだテーマが、このアルバムでよりペシミズムに包まれて、明確に生きることの苦悩を描き出しています。

初めて、このアルバムを聴いたときはかなり驚きましたね〜。
なんだってこんなに暗いんだろうって、本気で悩みました。
今から振り返って考えてみると、この時期の苦悩っていうのは、この後の「青空の扉」にたどり着くための、ある意味必然的な過程だったんですね。
でも、当時はそんなこと考えられないですよね〜。
今でもあまり聴かないアルバムです。
人生にくじけてツラい壁にぶつかった時なんかに聴くといいかもしれません(笑)

01 境界線上のアリア
02 傷だらけの欲望
03 最後のキス
04 悲しみ深すぎて
05 ベイ・ブリッジ・セレナーデ
06 こんな気持ちのまま
07 星の指輪
08 裸の王達
09 初秋

シングルとして発売されたのは次のとおりです。

■星の指輪 / こんな気持ちのまま(1994年)

もともと浜田省吾のルーツっていうのは、ビートルズやビーチボーイズなんかのポップ・ミュージックで、とても楽しいダンス・サウンドの中に人生の歓びや悲しみや痛みなんかが歌われているっていうスタイルの音楽です。
浜省の音楽もやはり同じように社会的なメッセージをロックンロールのビートに乗せて発信するという形をとっていました。
この時期の音楽は、ヘヴィな歌詞がヘヴィなサウンドに乗ってやってくるみたいな印象がありました。
トゥー・マッチという感じですね。
「J.Boy」でヒットチャート1位を獲得して、レコードでもコンサートでもサ成功を獲得して、そういう時期に浜田省吾はミュージシャンとしての、あるいは人間としてのアイデンティティに不安を感じたのかもしれません。
言ってみれば「自分への回帰」です。
核戦争がどうだとか、南の国がどうだとか、グローバルな観点からの歌に対比する自分自身の存在。
サクセス・ストーリーを走り抜けたことによって、浜田省吾の自我はそうしたことに対する危機感を感じ、その危機感はこのアルバムで頂点に達したように感じられます。

アルバム全体を通して感じられるのは神への祈り。
ただし、ここでいう「神」は特定の信仰のことではなくて、人間が生きていくうえで絶対不可欠な救いのようなもののことです。
人生の苦悩のまっただ中にありながら、作者は作品を作ることによって人生としての救いを求めている、救いを実現しているというような気がしてなりません。
そういう意味では、このアルバムはとてもヘヴィでシリアスだけれど、その重たい暗さの中には救済があるんだと信じたいですね。

さて、観念的なアルバムというのは解釈にいろいろ悩むところが多いのですが、楽曲として優れたものというと、やはり「星の指輪」でしょうか。
苦しい時期に作ったと思われるだけに、とても優しいラブソングに仕上がっています。

この1枚で浜田省吾を理解するのはちょっと難しいかもしれません。
けれど、現在の浜田省吾が生まれる過程の音楽として考えると、とても重要な作品なのだろうと思います。
あまり深く考えずに、メロディだけを味わう楽しみ方もありかな(笑)

| 全アルバムレビュー(オリジナル) | 19:11 | - | trackbacks(0) |
青空の扉


浜田省吾1996年発表のアルバム「青空の扉」です。
すごく個人的な話になってしまいますが、このアルバムを初めて聴いたとき、とても嬉しかったことを覚えています。
というのは、このアルバムの前に発表された「その永遠の一秒に」というアルバムがとてもヘヴィな内容で、浜省らしい爽やかさから遠く離れたイメージが僕の中で続いていたんですね。
あの楽しい浜省はもう戻ってこないのかな〜と思っていたくらいだったので、このアルバム1曲目の「BE MY BABY」を聴いたときにはかなり嬉しかったわけです。

01 BE MY BABY
02 さよならゲーム
03 二人の絆
04 彼女はブルー
05 紫陽花のうた
06 君去りし夏
07 恋は魔法さ
08 君がいるところが My sweet home
09 あれから二人
10 Because I love you
11 青空のゆくえ



アルバム全般を通して爽やか、前向き、希望に満ちた雰囲気が漂っています。
阪神大震災が日本中に大きな衝撃を与えたのは1995年。
浜省のこの明るさは、震災のショックを引きずる日本へのメッセージだったのかもしれませんね。

シングルとして発表されたのは次の3曲です。

■(我が心のマリア) / 恋は魔法さ(1995年)
■さよならゲーム / あれから二人(1996年)

特に、「恋は魔法さ」は震災被災者へのチャリティーとして発売されたもので、めちゃくちゃ明るいポップス・ナンバーを神戸に向けて発信しました。

すべての楽曲にこだわりを感じさせる力強い構成です。
アルバムとしての完成度から考えると、「My First Love」と並んで浜田省吾のベストワークになりそうですね。

浜省らしいロックンロールナンバーは「さよならゲーム」や「君がいるところが My sweet home」。
浜省らしいバラードソングは「青空のゆくえ」や「あれから二人」。
浜省らしいフォーク・スタイルが「彼女はブルー」。
そして、浜省らしいポップス・ナンバーが「恋は魔法さ」や「二人の絆」。

でも、オープニングの「BE MY BABY」のカバーもお勧めです。
ロネッツ1963年のヒットナンバーだったこの曲を、浜省はあえてオリジナル・テイストのままに収録、見事に音楽のハッピーな部分を強調することに成功したという感じです。

この頃は、バブル景気が弾けて、日本中が重苦しい雲の中に沈んでいるという時代で、その中にあって浜田省吾はあえて「青空」を探したという解釈ができそうです。
本人のコメントによると、このアルバムは「誰がために鐘は鳴る(1990年)」「その永遠の一秒(1993年)」として続く3部作の最終作ということになるようです。
ミュージシャンとして、人間の生き方や社会の在り方を突き詰めていった時に、最後にこの「青空の扉」を探し始めることにたどり着いたのだと。
前作のヘヴィな空気を考えると、本当にこのアルバムの明るさが天国のように思いましたからね〜(笑)

といっても、底抜けに明るい明るさの向こう側に暗さが透けて見えるところは、やはり浜田省吾。
根本的にはシリアスな人なので、その辺りは期待を裏切りません。
「もう夢見てたような世界が来るとは思えない 悲しいけれど」という歌詞は、少年の頃の夢を捨てて現実世界に生きる大人には辛いリアリティを突きつけてきます。

「My First Love」の次に聴いて欲しいアルバムです。
絶対にオススメ☆


| 全アルバムレビュー(オリジナル) | 22:22 | - | trackbacks(0) |
SAVE OUR SHIP


浜田省吾2001年のアルバム「SAVE OUR SHIP」です。
通称「SOS」(笑)
浜省としてはかなり挑戦的な、というか、前衛的な音作りに挑戦、賛否両論の評価を得たアルバムとなりました。
この1枚で浜田省吾を理解しようとすると、かなり難解な作業になりそうな気がします。
2001年という瞬間における浜田省吾の音楽、という感じで受け止めておきたいところ。

01 青空
02 …to be "Kissin' you"
03 GIVE ME ONE MORE CHANCE
04 LOVE HAS NO PRIDE
05 君の名を呼ぶ
06 真夏の路上
07 午前4時の物語
08 あい色の手紙
09 彼女
10 Theme of "Midnight Cab"
11 モノクロームの虹
12 日はまた昇る

収録曲のうち、シングルとして発表されたものは次のとおりです。

■モノクロームの虹 / 青空(1998年)
■LOVE HAS NO PRIDE / GIVE ME ONE MORE CHANCE(1998年)
■(詩人の鐘)/ 陽はまた昇る(1998年)
■…to be "kissin" you / 真夏の路上(2000年)
■君の名を呼ぶ / (演奏旅行)(2001年)

ということで、実に8曲がシングルカットされているという、まさしくシングルヒット・アルバム(笑)
アルバムを作ったというよりは、シングルを集めたというイメージが当時強かったような気がします。

最大の特徴は「LOVE HAS NO PRIDE」に代表されるラップ・ミュージックへの挑戦でしょう。
当時最新のコンピューターサウンドを導入、新しい音作りに対する意欲が溢れているのが分かります。

たとえばベースやサクソフォン、オーケストラなどどうしても専門的なプロフェッショナルでなければできないものはミュージシャンに頼み、ギターは僕と水谷さん、ほぼ全部ふたりで弾いている。
その他の楽器も80%ぐらいはふたりの相棒のコンピュータによるもの。
そういう意味では21世紀的な音の作り方になったけれど、だからといって完璧なコンピューター・サウンドかというと全くそうではなく、手触りは非常にアコースティックなものになっていると思う。
水谷さんに言わせると「デジタルって曖昧じゃないから、逆にその人の感覚が思いっきり出てくる」とのこと。
同感だ。
これは公式サイトに掲載されている本人のコメントですが、アコースティックなバンド・サウンドが浜田省吾の音だと思っていた人たちにとっては、かなり衝撃的なサウンドでしたね〜(笑)

楽曲的には、浜田省吾の定番となりそうなものが含まれています。
浜省らしいロックンロール系の曲は「モノクロームの虹」「真夏の路上」「…to be "Kissin' you"」。
浜省らしい聴かせるバラードソングは「君の名を呼ぶ」「あい色の手紙」。
浜省らしいカントリーソングは「日はまた昇る」。
浜省らしくないラップミュージックが「LOVE HAS NO PRIDE」や「午前4時の物語」。

ファンの間でも人気の高いのは「モノクロームの虹」「君の名を呼ぶ」「日はまた昇る」あたりでしょうか。
サウンド的には現代的なので、聴きどころはその辺り?

| 全アルバムレビュー(オリジナル) | 19:16 | - | trackbacks(0) |
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